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歯周ポケットの検査は重要です!

こんにちは、衛生士の小野です。

今回は私たちが行っている、基本的な検査についてお話ししようかと思います。

私たちが日頃歯周病のポケット測定の検査をしていると…

歯周病の検査は、レントゲン写真だけで検査することはできないのですか?
ポケットの測定はチクチクして苦手なんですけれど。

という質問を頂くことがあります。

結論から言うと、レントゲン写真のみで、歯周病の検査をすることはできません。

レントゲン写真だけでも、確かにおおよその歯の周りの骨の状態を知る事はできます。
ただ、それだけでは病気の進行を知る事ができないのです!

なぜできないのかをこれからご説明させて頂きますね😊

まず、
レントゲンによって得られる情報と得られない情報があるのでまとめてみました!(Prichardより)

【レントゲンにより得られる情報】

・歯の長さと形態
・歯の歯冠(頭)と歯根(足)の比率
・骨の吸収のおおまかな程度
・上顎洞との位置関係
・隣接面部における歯石の存在
・ホテツの適合状態

【レントゲンでは得られない情報】
・ポケットが存在するか
・骨の欠損の正確な形態
・軟組織と硬組織の関係
・歯の動揺度
・治療の結果なのか、未治療なのかの判断

基本的には歯周病の検査は、問診・視診・触診・プロービング・レントゲン写真なの種々の検査を組み合わせて行います。

確かに、レントゲン写真はとても有用で、むし歯・歯を支えている骨が吸収されているか・かぶせものの不適合・歯石のあるなしなど、
さまざまな情報を得ることができます。

歯周病の患者さんのレントゲン写真で映る骨の像は、歯周炎によって破壊された像です。
でもそれは歯周病により変化した結果であり、今現在の歯茎の炎症を反映しているわけではありません。

そこで、2次元のレントゲン写真とプロービング(歯茎の検査)を組み合わせることで3次元の骨の形態を想像することができるのです。

▪️プロービングについて

適正なプロービング圧は20〜25g重と考えられています。
歯茎の炎症の強い組織では患者さんに不快感を与えてしまう可能性が高いです。
臨床的に治療経過における変化を診査する意味では、圧の強さよりもむしろ圧を一定に保つことが重要になってきます。

プロービング時の出血があれば、歯茎に炎症があることを裏づけるに足りる状況証拠なので炎症性病変の早期発見にとても役立ちます😊
Johnsonの研究によれば、健全な歯周組織においてもプロービング圧を50g重にすれば全体の12%、100g重では35%の部位に出血が認められたと発表しています。
ですから正確なプロービング、プロービング圧で検査することが大切なのです!

Greenstein(1981)の論文では、

レントゲン写真上の歯槽硬線(1)の有り無しに対する歯茎の腫れ、出血、歯周ポケットの割合を比較したが、
レントゲン写真上の骨の有無のみで、歯周病を診断することはできない事が記されていました。

また、

Rams(1994)の論文で、

歯周病患者の治療後のメンテナンス期間中にレントゲン写真をとり、歯槽硬線と局所の再発の予測との関係をみて、
歯槽硬線が観察されないことで再発を予測することはできないことがわかりました。

結果、レントゲン写真では多くの情報を提供してくれますが、歯茎の腫れや、歯周ポケットの深さなど、
視診やプロービングを行なわないと歯周病の診断をすることができないという事です。

なので日頃行っている検査はとても意味のある大切なことなのです。

(1)歯槽硬線:
歯の根の病気や歯肉炎などの歯のまわりの組織が病気になると消失し、病気が消退すると出現する白い線。
歯周病の患者さんのエックス線診断の際の指標とされる。

・下のレントゲン画像の左下の5番目の歯は健康な歯槽硬線がみられ、右の画像の水色の部分。

・逆に左下6番にの第一大臼歯は歯槽硬線の喪失と歯根膜空隙の拡大が見られ、右の画像の赤い部分。

ですから、ただチクチクやっているだけではなくて、歯周病の状態を細かく出血があるか?とか深さの変化はどうか?
など、変化をチェックすることはとても大事なことなんです!!( ^ ^ )/□

小野

しんがい歯科医院 〒370-0075 群馬県高崎市筑縄町20-5