根の先の病気は大きいと治らないの?
皆さんこんにちは(*^^*)
衛生士の小金澤です。
梅雨のジメジメの時期ですが、それに伴いお口の中の調子もいまいち優れない…という事も多いですよね。
当院は根の治療を中心として診療を行っていますので、今回のブログでは、
根の先の病気についてお話していこうと思います。
この写真は真ん中の根の先に黒い影が見られますよね?
当院では気になる症状があれば、治療の前にレントゲン撮影を必ず行います。
レントゲン写真の何を見ているのかというと、
レントゲン写真は直接目で見る事ができないような、
根の先の状態をレントゲンの白黒の濃淡を目安に知る事ができます。
歯のレントゲンを撮ると、根の先に黒く影のようなものが写っている事があります。
これが【根尖部透過像】と呼ばれるもので、これがあると根尖性歯周炎という根の先の病気になっている可能性が高いです。
歯茎が腫れるなどの症状が出ることもあれば、そこまで強い症状がでないこともあります。
その時の状況にもよりますが、レントゲンで黒く影が写っている場合には根の治療が必要になります。
そもそも、なぜ根の病気になってしまうのでしょうか?
原因としては
①むし歯を長期間放置することによって大きくなってしまい、神経が死んでしまう
②大きなむし歯を治療後、自然に神経が死んでしまう
③一度根の治療をしても、根の中に細菌が残っていると再度病気になってしまう
④歯をぶつけるなど外傷によって神経が死んでしまう
などが考えられます。
では、根の先に病気があって、それが治癒するまでにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
1986年にBystronらが発表した論文によると、レントゲンで大きな影があっても、
必ずしも治癒に時間がかかる訳ではないということが示されていて、
ほとんどの症例で4年のうちに治癒するという研究結果が出ています。
また、その他の研究でも治療後4年を経過しても治らなかった一部の症例でも、
10年かけて完全治癒したというものもあります。
そもそも病気が大きかった場合、治癒することは可能なのでしょうか?
Linらが2009年に
「大きな根の病気があっても、適切な根の治療を行うことにより病気が小さくなる可能性がある」というまとめの文献を報告しています。
このように根の先に病気があって、それが大きかったとしても、
しっかりとした根の治療を行えば、抜歯や、外科的歯内療法などの治療を行わなくても
治癒する場合もあるという事が言えます。
これは治療中の写真ですが、左のような状態でも、適切な治療を行うことで右のように綺麗な状態になります。
自分の体の中がこのように汚いものが入っているというのは、驚きですよね、、、
しんがい歯科に来院されるかんじゃさんには、良い治療を受けていただければと思います。