根の治療の成功率は?
こんにちは(*^^*)衛生士の小金澤です。
歯が痛くなって治療するときに気になる事の1つとしてあげられるのが
「この歯はどこまでもつのか…?」
という事ですよね。
「せっかく治すなら長く使いたい」そう思う一方で「時間をかけて治療するより抜いてしまった方が良いのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
そこで今回のテーマは
《根の治療の成功率》です!
そもそも根の治療の成功率を左右する因子とは何なのでしょうか?
【治療前の因子】
・年齢や性別
・歯の種類
・歯に痛みや腫れがあるか
・根の先に病気があるか
・根の治療を今までにしたことのある歯か
【治療中の因子】
・ラバーダムの使用
・根の治療自体の質
・治療回数
【治療後の因子】
・かぶせ物の質
・歯への負担がかかりやすいか
など、ざっとあげただけでもこれだけの項目があります。
その中でも
①ラバーダムの使用
②根の先に病気があるか
③かぶせ物の質
この3つが成功率をあげるのに最も重要な因子となります。
※ラバーダムに関しては、以前のブログを参考にしていただければと思います。
また、治療の成功率も
・初めての治療
・再治療
・再治療で根の先に病気がある
というように、歯の条件によっても変わってきます。
では、初めての根の治療の成功率はどのくらいなのでしょうか?
2003年のFriedmanらの論文では、1952歯を対象に510歯の根管治療についての治癒率を調査した結果
根の先に病気がないグループは93%
根の先に病気があるグループは82%
成功率は平均86%と報告しています。
つまり
初めての根の治療であれば約90%程度の成功率
初めての根の治療であっても根の先に病気があれば成功率は10%位下がる
と考えられます。
最初の成功率が高い時にしっかりした治療がされていると、特に成功率が高い!ということですね。
次に、再治療の場合を見ていきましょう。
Orstavikの研究では
再治療で根の先に病気があるケースの治療
では、89%が状態が改善(1年後)
↓
完全に良くなるまで4~5年かかる
としています。
つまり、治療してから1年様子をみても良くならなければ根の先を外科処置でとるか、もう少し様子をみていくのかを患者さんと相談して決めていくことになります。
厳密に成功率を提示することはなかなか難しいですが、共通して言えることは
・無菌的な治療をする
・多くの細菌を取り除くためにしっかり洗浄し薬を入れる
・最終的な充填物を根の先まで(-2mm以内)緊密に入れる
という、一連の流れをしっかりと行わなければ根の治療を成功させることは出来ないということです。
また、治療途中で来院が数が月途絶えたりしてしまうと、仮の蓋をしている所から細菌が入り込んでしまう事があります。
そうなると、またイチから治療をやり直さないといけない…ということも起きてしまいます💦
こういった事をなるべく避けられるよう、治療を受ける際には予想される治療回数を可能な限りお伝えしています。
しっかりと歯を治す為にも、計画的に治療を受けて頂ければと思います(^-^)