難治性の奥歯の根の病気を外科治療で対応した症例
病気のある根の再治療はおおよそ成功率は60〜70%です。ただ、根管の形態が変化し根尖孔自体に穴が大きく空いているような場合は、40%しか治る見込みがありません。ただ、通常の根の治療で改善しない場合も、外科処置を行うことで改善する可能性もあります。
治療の経過
- 術前デンタルX線写真
右下の奥歯の根の治療の途中でご依頼をうけました。
- 術前CT画像
上下の大臼歯はCTを撮影することで病変の大きさや、周囲の神経血管などの解剖を確認することができます。
- 術中顕微鏡画像
治療中の写真ですが、奥側の根の管からのうみが止まらない状態でした。
- 通常の根管治療後のレントゲン写真
一部根の先が大きく穴が空いていたため、特別な薬で封鎖しましたが違和感や腫れなどの症状は改善しませんでした。
- 外科後3ヶ月デンタルX線写真
通常の根管治療では治癒傾向が見られなかったため外科処置を行い、根の先の汚れている部分を切断し根の先から薬を詰めました。
術前・術後の比較
- 術前の口腔内写真
頬側が腫れてうみが出ていました。この写真はうみの入り口にレントゲン写真で写る材料を挿入し、原因部位を確認しています。
- 外科術後3ヶ月の口腔内写真
うみの出口がなくなり腫れもありません。患者さんの違和感もなくなりました。
施術内容の詳細
治療期間
根管治療3回、経過観察期間3ヶ月、外科治療1回、経過観察期間3ヶ月。
治療費用
根管治療165,000円(10%税込)歯内療法外科66,000円(10%税込)
考えられるリスク
健全歯質が少ないため歯根破折、口腔衛生状態が悪くなればう蝕になり再感染のリスクなどが考えられます。