根の先に治療器具が折れ込んでいる症例(動画あり)
根の先に治療器具が折れ、いまにも根の先から飛び出てしまいそうになっている状態を、顕微鏡を用いて確認しながら専用の器具を用いて除去しました。実際の歯根も通常の歯ではあまりない大臼歯の口蓋根が2根あった症例で、その他にも近心頬側にも見逃しの根管が存在しました。
治療の経過
- 術前レントゲン写真
術前のレントゲンです。根管内に治療用の器具のようなものが折れ込んでいる事がわかります。
- 術前CT画像
このような複雑な治療の場合は歯科用のCTを撮影し、病気の有無、折れ込んだ器具の長さや位置、上顎洞との関係などを確認します。
- 根管充填直後レントゲン写真
破折ファイルを除去後、治療器具が折れ込んでいたところは大きく穴になっていた為、MTAで根管充填を行っています。
- 治療着手時
明らかにう蝕が残っている状態で根管治療が行われていました。このようにう蝕が残っている状態で根管治療をすることの方が難治化する原因になります。
- う蝕除去後隔壁作成
う蝕を除去し、隔壁を確実に行い周りを封鎖してようやく本格的な根管治療が出来ます。
- 除去器具の写真
専用の器具を用い慎重に治療器具を除去しました。
術前・術後の比較
- 術前レントゲン写真
当たり前のことですが、ラバーダム防湿をおこなったままでレントゲン写真を撮っています。
- 術後6ヶ月レントゲン写真
症状もなく良好で、最終的な被せ物も装着済みです。
顕微鏡視野でのファイル除去
注意深く根の先を顕微鏡で確認し、輪投げのような器具を用いて引っ掛けて除去しました。
施術内容の詳細
治療期間
治療回数3回被せ物の処置2回
治療費用
根の治療190,000円(10%税込) ※根の治療はファイル除去費用込
考えられるリスク
根の治療器具は除去できなくても治ることがありますが、この場合は根の先で病気があり、また根の先まで大きく削られていましたので、ひっかけて除去することができました。 細菌は根の治療をしても0にはならないので、再度う蝕になったり、患者さんの免疫力低下などによっても再発するリスクはあります。